How’s goin guys, it’s Koshin (@k__gx88)
TSUTAYA 閉店のニュースが当たり前になりつつある現在。最後にレンタルビデオ屋に行った日を覚えているだろうか?
SVOD(定額制見放題)、TVOD(都度課金制レンタル)といったサービスの全盛期を迎えた現代社会において、リアル店舗に行く必要性のなさが露呈している。そんな中、僕は未だに吉祥寺の TSUTAYA に通うニッチな存在の1人である。今回は、消えゆくリアル店舗との付き合い方について触れていく。
*サービス紹介記事ではありません
Get Ready⇨
1. 動画配信サービスの台頭
- ECサイトの雄の1つ – Amazon Prime
- 洋画・海外ドラマに長けた – Netflix
- 日本の新作ドラマに長けた – Hulu
といったように、十数社のサービスが展開されている。それぞれ違った特徴があって、どのサービスに課金すべきか悩ましいのも事実。
1.1 メリット
- 負担の少ない定額料
- 好きな時間に好きなだけ動画見放題
- 様々なデバイスから視聴可能
- 延滞料金・返却という煩わしさが無い
といったものが挙げられ、基本的に便利でしかない。
因みに僕は Amazon Prime に入会している。Shopping・Reading・Music といったサービスの1つにある Video を観たい時に触れており、年会費を払えば遍く楽しめることに恐怖すら感じる。
1.2 デメリット
- 最新作は基本的にない
- 一作も見る時間がなかった月であっても定額料を払う
- ネット回線に起因するイライラ
といったものが挙げられますが、ヘビーユーザーにとっては意に介さいだろう。
2. リアル店舗で得られるモノ
上述した動画配信サービスに市場価値を完全に覆された「レンタルビデオ屋」だが、ここでしか得ることができないモノってなんだろうか。
以下、細分化してみる。
2.1 偶然性による出会い
何千種類もの作品が並んだ店頭において、ウロウロと物色して見つけた作品。面白かった場合は得した気分になって友達に話す。つまらなかった場合にはボヤキが止まらなくなる。
いずれにせよ、パッケージのデザイン・惹句の質を頼りに直感的に借りたビデオによって、その後の自分のストーリーの幅が変わってくる。棚に手を伸ばし、じっくりと選取した作品は、自分が制作してないにも拘らず我が子のように記憶に残る。
2.2 空間に浸ったという実感
店舗によって色が違うレンタルビデオ屋では、実に多くの発見がある。
- 売り場レイアウト
- ランキング
- ポップ
- ジャンルによって異なる品揃え
地域・客層・売れ行きなどによる独自の判断で選出された作品の数々から、「A店は〜、B店は〜」といった気付きがある。そこでしか食べれない行列のできるラーメン店と同様に、その空間にしかない特徴を探すのは面白い。
2.3 体験型エンタメという要素
ふとした瞬間に立ち寄って借り、ポテチ・コーラと共に小走りした帰り道。一気見しようとした際の、3話目だけ貸し出し中だった時の煮え切らない気持ち。店舗内を彷徨った先に見つけた黒いカーテンを潜った17歳。
どれもこれも、リアル店舗でしか味わえなかった「体験」による昂奮である。
- 店舗に行く
- 手に取って選ぶ
- 家に帰ってじっくり楽しむ
- 返却ついでにニューラインナップを確認
- 友達と情報共有
これら一連の流れに関わる全てのワクワクは、サブスクリプションでは賄いきれない。
3. 両者との付き合い方
僕が吉祥寺の TSUTAYA に行く際のポイントは4点ある。
- 最新作が観たい
- ふと観たくなった作品が Amazon Prime には無かった
- 定期的に訪れるジブリ作品への愛
- 空間をフラフラして良作を模索
以上のように、決して頻繁に訪れているわけではない。
Amazon Prime と Netflix を併用していた時期には、TSUTAYA に行くことは皆無に等しかった。しかし、「好きな時間に好きなだけ動画見放題」というメリットがある反面、画面上に規則的に羅列された圧倒的情報量の多さに辟易してしまった瞬間があった。指先だけで完結する世界は非常に効率的で便利だが、その味気なさにどこかウズウズした。映画との物理的距離は格段に縮まったものの、気持ち的な面では遠退いたのような感覚に陥ったと言える。
そして、一切作品を見る余裕が無かった月の2サービスに対する定額料を払って気付いた。僕の生活スタイルには合っていないと・・・。
静かに Netflix を解約した後、数年ぶりに訪れた TSUTAYA にて、幼かった当時の昂奮を回顧したとは言うまでもない。改めて、その時分の心情に沿って欲している作品を探すリアルな旅の方が、後続的リターンは大きいと感じた。買い切り ⇨ レンタル ⇨ サブスクリプションという様に、「モノを所有しない時代」になりつつある社会の中で、ニッチであることは百も承知している。
しかしながら、「コスパ思考」に侵されて「本来の価値」を見落としたくはない。
映画やドラマにかける時間的熱量の少ない僕の生活スタイルでは、
- 店頭での思わぬ作品
- Amazon に無かった作品
に対し数十円〜数百円払ってでもレンタルした方が、金銭面に於いて最終的に満足しているというだけである。
さいごに
動画配信サービスは時代が産んだ画期的サービスなのは間違いない。技術の発展により過去の産物が淘汰されていくのは自然の流れだろう。アメリカ同様にレンタルビデオ屋が消滅する未来は、すぐそこまで迫っているかもしれない。
でも、僕としては「動画配信サービス + レンタルビデオ屋」という生活スタイルを止めるつもりはない。更に言えば、リアル店舗が昨今の書店のように複合化され、違った面白味あるコンテンツがプラスαされた場合、また足を運ぶ人が出てくる可能性もゼロではないと考える。閉店に拍車がかかる今、全滅だけはしないで欲しいと願うのは僕だけではないと願う。