3. Emily Kame Kngwarreye
皆さんはご存知だろうか、オーストラリア原住民族であるアボリジニの作品が現代アートやポストモダンを語る上で重要な立場を確立し、国際的に認知されつつあることを。
当作品はエミリー・カーメ・ウングワレーによって描かれた18枚のパネル作品「Utopia Panels」の内の3枚。
ぱっと見では、この複雑な様相を感じ入ることができる人は少ないかもしれない。
彼らには「Dreamtime」という天地創造の神話が受け継がれており、これは今尚彼らの中で生き続ける時間という概念を指す。彼らには過去・現在・未来という考えはなく、常に「Dreamtime」との結びつきを保ちながら、この概念を辿って生活している。
この神話を手で砂に表現していたモノがアボリジニアートの起源であり、西洋からアクリル塗料やブラシなどの現代美術様式が伝承してから、彼らの作品がパネルに表現されるようになった。
滑らかなストライプやカラフルで大胆な構図を構築した彼女の作品は、ドットが基調だった従来の概念を覆えし、新たな扉を開いた第一人者と言って良い。
ブリズベンにある「The QLD Art Gallery / Gallery of Modern Art」では、伝統的樹皮絵画から現代的主義的表現によるキャンバスに至るまで幅広く展示されている。
アデレードにある「South Australian Museum」では、アボリジニに関する全容を知ることが可能。
足を運んでみては?
さいごに
歴史を重んじながらも流行・文化の最先端を走る国の1つであるオーストラリア。
多文化主義であること、先住民族の色が濃く残っていることもあって現代に至るまでのアートの作風が様々で非常に興味深いです。
渡豪される方は是非美術館に訪れてみてはいかがでしょう。
一見の価値がそこにはあります!