電子書籍が全盛の時代に紙の本は死滅していくのか

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何でもかんでもレスな時代に於いて、「紙の本」は劣勢の只中。幼年から形あるモノとして本と接してきた僕は、電子書籍に対して嫌悪感を抱いてきた。

しかし現在、「紙の本 vs 電子書籍」の空虚な盤上に辟易している自分がいる。個人的な結論から触れてしまえば、戦いの結末は「」の観点に左右されるものかもしれない。

紙の本を愛する僕が、電子書籍の片棒を担いでみようと思う。

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量というフィルター

世の中には数え切れない量の「本」が存在する。また、それだけに限らず「週刊誌・B5版」「文庫・A6版」などサイズも様々である。それらをタブレット1つに集約できるのは素晴らしい。

紙の本至上主義者の、

  • ページをめくる感覚がない
  • 目に悪い
  • プッシュが入って集中できない
  • 記憶力の定着率が悪い
  • バッテリーが切れたら読めない

といった指摘ははっきりいって馬鹿げており、これらは、新時代の産物に目をやりたくない者たちの負け犬の遠吠えでしかなく、気の持ちようでどうにでもなる。確かに僕自身、部屋を図書館のようにしたいという夢を捨ててはいない。

しかし、6畳1間の賃貸物件に数百冊を保有している今、これ以上は物質的に問題が発生しそうでならない。所帯を固めるまでは、絶対的に「形あるものとして所有したい」と思える本以外は電子書籍でも良いと思える。書店にて気になる本を闇雲に漁り続ければ、書斎がとんでもないことになってしまうし、処分するのにも手間が掛かって億劫である。電子は見たい作品をダウンロードし、不要・つまらない作品は削除してしまえば済む。

また、漫画に関して想像して欲しいことがある。勧められた漫画が長編漫画であった時、少なくとも僕が幼少期だった10年ほど前には大変困った。立ち読みをするか、1から順に買い貯めていくか、友達に借りるしかなかった。どの行為にも其れなりの時間とコストが掛かって、買ったは良いものの大人になった今触れなくなったモノも多い。

これもまた、電子ではその場で補えることができ、たとい失敗作であろうと気兼ねする必要がない。

 



流行り・廃りに対応可能

所謂「週刊誌・ビジネス・自己啓発」などは流行に埋もれやすい情報が多く、昨日の常識が明日には通じない時代になった。これらを形あるものとして所有したところで、命の価値は下がる一方である。

将来的に無駄な作品に対して所有スペースを与えるほどお人好しではない。そこで、僕は彼らに触れる時には電子書籍でダウンロードし、「読書ノート」を作成している。

  • タイトル・著者名などの基本情報
  • 作中の主な論点や展開の抜き出し
  • キーワード
  • 自己の現状に置き換えてのアイデア出し

A5版の手帳(見開き2p)にこれらを記すことで、大体の作品の内容を回顧することが可能になる。読書ノートを付けることにより、いつ何時でも情報を取り出せるようになっただけに留まらず、上述した物質的な量に悩まされる心配はなくなった。

だが、「小説」に於いては対応が異なり、文庫本は値段的にもサイズ的にも僕を困らせることは少ない。否、読む時分によって光るワードが異なる為、彼らに関しては所有しなくてはならないと考える。

真に刺さる本の価値は未来永劫変わることはなく、読む度に考えが変わっていて面白いから。

 



さいごに

電子書籍の良さに触れたが、決して紙の本を捨てたわけではない。あくまで紙の本がベースにあった上で、住み分けをしていこうという話である。

数百年と続いてきた「紙の出版物」というフォーマットは未だ色褪せるコンテンツではない。「」+「電子」の構造を上手く使い分ける必要性がある。

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